死んだ後、人はある建物へ行きそこで、人生で1番楽しかった事を1つ選ぶ。建物にいるスタッフがその思い出を映画にして再現。死者はその映画を見て、その思い出を完全に思い出すと、その時の思いだけを胸に成仏する。

 主人公は、建物の職員、望月としおり。
 2人は思い出を選べず、他のメンバーと共に職員として働いている。
 自分の担当した死者に思い出から、最後には思い出を選び成仏した望月と、決して選ばず、職員としての思い出を胸に生きて行こうとするしおり。思い出を選ぶことは、自分の人生を肯定できたと言うことであると同時に、他の思い出を忘れてしまうことでもある。

 しおりと望月の最後の会話が感動的。
 1番好きなシーンはその最後の会話の直前に、望月が去る事を察したしおりが、自分がまた忘れられる、しかも好きな人から忘れ去られる事をやるせ無く感じ、真っ白に積もった屋上の雪をぐちゃぐちゃにするシーン。

 望月も、自分が他人の1番大切な思い出の1部であった事をきっかけに、思い出を選ぶことが出来たし、人はいつまでも人に覚えていて欲しいのだと思う。

 思い出を選ぶ基準や、桜の好きで子供に桜子と名づけ、彼女がハタチになるまで成仏しないと決めた職員に、あばあさんが冬なのに手作りの桜を渡したシーンや、望月がもらった手紙を見て思ったのだが、人がうれしく感じ、大切にしたいと思える思い出を作るのは「やさしさ」なのだと思った。

 映像としては、映画に、ドキュメンタリーの手法を取り入れた変わったものとなっており、それがリアリティーを作り出している。監督は是枝監督。
 ARATAの演技も見事だし、しおり役の人も好き。

 月と雪がなんらかのメタファーだと思うがわからなかった。
 見終わった後は自分なら何を選ぶかやはり考えてしまう。
 映画で公園のベンチがそうだったんだけど、人生ってうまく言葉に出来ないけれど不思議と何か同じ要素が絡まりあっている感じはする。

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